『段返り』の読み方は?その特徴とメリットを解説

“微差こそ大差”、数センチで表情が変わる

段返り』とは、メンズスーツの仕立てやクリーニングを出す際に聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

正式には”段返り3釦”と使い、読み方は『ダンガエリミツボタン』と読みます。

では、どのようなのを段返りというのでしょうか?またそのメリットや発祥についてもまとめてみました。

段返りとは?

シングルジャケットのボタンは、1つボタン、2つボタン、3つボタンとあります。その中で段返りとは3つボタンのジャケットの第1ボタンをラペルの裏側に隠した仕様になっている物を指します。

←段返り3つボタン・2つボタン→

←段返り3つボタンスーツ・2つボタンスーツ→

第1ボタンは実質飾りになっており、ボタンホールもあり留める事はできますが留めてはいけません。あくまでもこの時の第1ボタンは装飾のひとつとしての仕様です。

段返りのメリットは?

ボタンを留めた時のVゾーンの大きさは2つボタンのジャケットとほぼ同じ。なら「2つボタンのジャケットでいいのじゃないか?」ともおもいます。

ですが、段返りにすることによって柔らかく広がったラペルにロール感ができ、ジャケットがより立体的に見えます。

これにより、シャープすぎない印象を与え、より大人らしい雰囲気を醸し出す事も可能なのです。

“微差こそ大差”、とも言われてるようにスーツは数センチ単位で表情を変えるので、2つボタンと段返り3つボタンの違いは大きいと言えるでしょう。

段返りの発祥は?

この段返りとは1900年ごろに、アメリカのブルックブラザーズが開発したと言われてます。

ブルックブラザーズと言えば、今では普通になりましたがボタンダウンシャツを始めて製品化したブランドでもあります。

ボタンダウンシャツ

創業者の孫のジョン・ブルックスがポロ選手のシャツの襟が風にゆれるのを見て、安定させることを考えてボタンダウン・シャツ(ブルックス・ブラザーズではポロカラーシャツと呼ぶ)を初めて商品化したと言われている。

その後イタリアに伝わり、当時のサルトリアがこのような段返り3つボタンのスーツを好んで作り出しました。

ウエストがシェイプされたのが特徴的なクラシコイタリアスーツは、現在でもほとんどがこの段返り仕様になってます。

スーツ

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クラシコイタリア

『段返り』・まとめ

今回は段返り(だんがえり)についてまとめてみました。

段返りとは・・・

スーツの仕様のひとつ

大人らしい雰囲気を出せる

クラシコイタリアスーツに多い

現代のスーツジャケットはほとんどが2つボタンで作られており、ビジネスの場でも2つボタンのジャケットが相応しいとされてる風習にもあります。

ですが、その中でも段返り3つボタンのジャケットを着こなしてると、差別化にもなりお洒落な雰囲気も感じられます。

スーツを購入する際の参考のひとつとしてみてはいかがでしょうか?

今回も最後までご覧いただき有難うございました。